堕ちるってどんな漫画？
漫画「堕ちる」は菊池直恵先生の作品。冒頭で売春婦が亡くなったニュースが流れる。そんな彼女の生涯を追っていく作品である。
全3巻で完結するこの漫画。
1巻は現在から11年前の出来事。2巻は現在から8年前の出来事。3巻は現在となり死の真相が明かされていきます。
ヒロインは佐藤正美といった女性。
彼女は2つの顔があり、何故、彼女は死んだのか…何故、彼女は愛に飢えて売春婦にまで堕ちたのか…。1人の女性の半生を色濃く描いたストーリーが展開されていきます。
ネタバレ前に試し読みしたい方は以下から
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漫画「堕ちる」ネタバレ
冒頭で流れる1人の売春婦が殺されたニュース。彼女には売春婦と同時に検察官としての顔もあった。そんな彼女の半生を11年前、8年前、現在といった形式で描かれていきます。
ガリ勉のフリした悪女…
舞台は11年前。
ヒロインである佐藤正美の高校時代が描かれていきます。彼女は転校生として某私立高校へ訪れます。優秀な成績であった正美は今まで学年成績1位であった「はるか」のステータスを奪う事に。
はるかは美貌、スタイル、成績、私生活も全てが絵に描いたような憧れの女子高生。所謂スクールカーストで言えば頂点にいるような女性。
そんな彼女は「成績1位」のステータスを突如、奪っていった正美に嫉妬を抱えていきます。プライドの塊であるはるかは正美に対して嫌がらせを行っていく事へ。
はるかの虐めに耐える正美でしたが…ある出来事がキッカケとなり彼女の高校生活は平穏へ。それははるかのイケメン彼氏が突然、大勢の前ではるかを振ります。
惨めな姿を晒した事で彼女の友人達も離れていく事へ。
ただ、これには裏話があり…。
はるかの彼氏…実は正美に誘惑されており、正美の思い通りに動かされていたのでした。ガリ勉のフリしたビッチ悪女であった正美。
ヒロインの垣根には父親との禁断の関係が…
そして正美の秘密が明かされていきます。
母親が出かける毎週木曜日。それは父親と体を重ね合わせて幸せを感じる日だったのです。
正美の愛する男性は父親。
そして二人は近親相姦の関係。歪んだ愛情…歪んだ背景が明かされていきます。
蠢く欲求を満たすため…女は売春婦へ…
続いて現在より8年前の出来事が明かされていく形へ。
高校を卒業して大学生になった正美。しかし、不幸が訪れます。それは愛すべき父親の死。
さらに母親の懺悔と暴露。
正美の母親は二人の関係を以前から知っていたのです。実は娘の事を気持ち悪がっていた母親。父親の死によって正美と母親は決別。
一人暮らしをする事になった正美は父親と同じ検察官となる為、必死で勉強に励んでいきます。
そんな中、彼女の中にある蠢きが起こり勉強に集中できない事態へ。
それは父親の愛情と性への欲求。
とりあえず正美は声をかけてきた同大学の松岡といった男性を誘惑して心の中にある蠢きを抑え込もうとしますが、まったく満たされず…。
蠢く欲求に我慢の効かなくなった正美。
彼女は父親似の男性を探し夜の街へ繰り出していきます。
そして父親似の男性で女を求める人物を発見。声をかけるも子供扱いされて相手にされず…。その男性は立ちんぼの外国人女性とホテル街へ消えていきます。
ここで検察官を目指す彼女に心の葛藤と悪魔の囁きが…。
悪魔の囁きに負けた正美は眼鏡を外して女豹へ。売春婦としての彼女がスタートしていきます。
彼女を満たした男の正体…
場面は現在へ。
父親と同じ検察官になっていた正美。普段は真面目過ぎる検察官ですが毎週木曜日…退勤後は自分の中の蠢き、欲求を満たすために繁華街へ出て売春を繰り返す日々。
そんな中、同じ検察官で一回り以上離れた男性・小倉からアプローチを受ける事に。
正美に結婚を前提とした交際を申し込む小倉。まったく無関心であった正美でしたが、ある事に気が付きます。
小倉は父親と同じ検察官で歳も離れている…売春していても未だに奥底に眠る蠢きを満たす事ができない正美。もしかしたら父と同じ検察官である小倉なら自分を満たしてくれるかもしれない…。
そう感じて興奮しだす正美…
ですが、突然誘惑すると乗ってこないかもしれない…また満たされなかった場合、自分の中の蠢きが消えることは一生ないかもしれない…そんな恐怖で小倉を誘惑せず、検討するとだけ伝えて彼女は繁華街へ。
悶々とした気持ちを鎮める為、売春した男性とホテルで体を重ね合う正美。ただ今回の相手の言動はどこかで聞き覚えるのある内容…。
正美は相手している男が検察官である事を突き止めます。ようやく心の奥底にある蠢きが満たされていく事を感じる正美。同時に法を扱う人間が売春している事を知られてしまった相手の男性。彼の手は次第に正美の首を締め付けていく事へ。
そして1巻冒頭のニュースである。
最後は正美を殺した検察官の人間描写があって漫画「堕ちる」は幕を閉じていきます。
漫画「堕ちる」感想
検察官であり、売春婦であった佐藤正美といった女性の半生が描かれていく作品。恐らく正美のモデルは東電OL殺人事件の被害者の女性ではないだろうか。
彼女もまた東電といったエリート企業の社員でありながら売春婦としての顔を持ち合わせていたとされる。
エリート女性がタイトル通りに『堕ちる』までの過程が描かれた渾身の作品。不幸な結末になるわけだが、そこに至るまでの心理描写や人間描写が魅力！
全3巻完結。1冊40ページ前後で価格も安いので興味が出た人は是非、チェックしてみてください！
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